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目の下のたるみ・眼瞼下垂症がんけんかすいしょう

目の下のたるみ(下眼瞼脱脂術):保険適応外手術です

眼球は眼窩骨の中にある眼窩脂肪によって支えられていますが、眼球そのものの重さで前方に押し出されてしまうことにより、下まぶたが目袋となって目立ったり、膨らみがクマの様に見えたりすることで老化のイメージを強く与えてしまいます。
加齢に伴うものは、30代~中年期以降で発症するもので、眼窩内で眼球を支える眼球堤靭帯(Lockwood's ligament)が弛緩し、眼球下垂による眼窩下方の脂肪圧が高まることで、前方に突出することによります。
また、眼窩内で眼球を覆っている眼窩脂肪が、生まれつき眼窩の容積と比べて多すぎる場合、下まぶたの膨らみが目立つようになります。下眼瞼脱脂術は、下まぶたの余分な脂肪を取り除くことで、たるみによる老化のイメージや疲れた印象の改善、目元のクマやくすみの解消などが期待できます。

目の下のたるみの治療法

下眼瞼脱脂術かがんけんだっしじゅつ

当クリニックでは、経結膜脱脂術を行っています。
経結膜脱脂術とは、下まぶたの裏側の粘膜(結膜)を5~6mm程切開し、目の下の膨らみ(目袋)の原因となっている眼窩脂肪を除去する手術です。
皮膚を切開しないため、傷や傷痕が見えず、抜糸も必要ありません。また、ダウンタイムが短く、腫れや内出血などの症状が軽度のため、他人に気づかれにくいのが特長です。
眼窩脂肪は、1つの塊ではなく、薄膜によって内側・中央・外側の3つのパーツ(コンパートメント)に分かれています。経結膜脱脂術では、3つ全てのコンパートメントから、それぞれ脂肪を除去します。

術後の経過

抜糸は不要で、当日よりシャワー浴ができます。
個人差がありますが、ダウンタイム(※)は1週間~10日程度かかります。

※手術前の生活を取り戻せるまでの時間のこと。

眼瞼下垂症がんけんかすいしょう

眼瞼下垂症とは、視力などに問題がなく、先天的理由や後天的理由(眼筋疾患・加齢・コンタクトレンズ装用等)により、上眼瞼じょうがんけん(上まぶた)の機能に障害が生じ、上方向の視界が制限された状態をいいます。
視界が制限され、無意識に眉毛を拳上して瞼を開こうとするため、眉毛の位置があがり、おでこにしわがよります。また、それでも視野がせまい場合には顎を拳上するため、眼精疲労や頭痛、肩こりを併発することがあります。

眼瞼下垂症の治療法

上眼瞼には、目を開けるための眼瞼挙筋がんけんきょきんと呼ばれる筋肉があり、瞼板けんばんという固い板にしっかりと付着しています。
何らかの理由で眼瞼挙筋と瞼板の付着部分である挙筋腱膜きょきんけんまくが伸びたり縮んだりしてしまうと瞼が開きにくくなってしまいます。

挙筋前転術きょきんぜんてんじゅつ

挙筋前転法は、伸びたり縮んだりした挙筋腱膜を瞼板に再固定する手術で、眼瞼挙筋や挙筋腱膜を切らず付随する筋肉も傷つけないため健康的かつ生理的な改善ができるといわれています。
眼瞼挙筋の筋力が残っている先天性眼瞼下垂症や後天性眼瞼下垂症に用います。

挙筋短縮術きょきんたんしゅくじゅつ

挙筋短縮法は、伸びきってしまった眼瞼挙筋や挙筋腱膜を切って短くし、瞼板に逢着ほうちゃくさせる手術です。

筋膜移植術

眼瞼挙筋が全く機能していない先天性眼瞼下垂症の場合、眼瞼挙筋の代わりに、太ももの筋膜を採取して移植します。

術後の経過

眼瞼下垂症手術では、個人差がありますが、ダウンタイム(※)は1~3ヶ月程度かかります。
術後7~10日で抜糸をしますが、手術方法によっては14日になることもございます。

※手術前の生活を取り戻せるまでの時間のこと。

注意!

ある日急にまぶたが下がった場合には脳梗塞、脳動脈瘤や糖尿病などによる動眼神経麻痺などが疑われますのでCTやMRIでの頭蓋内の検査や血液検査を要します。

眼瞼下垂症手術担当医

垣淵 正男 医師(眼瞼下垂症手術)(非常勤)

略歴

  • 兵庫医科大学 形成外科 主任教授

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