ボツリヌス菌が作り出す天然のタンパク質(ボツリヌストキシン)を有効成分とする薬で、神経伝達物質「アセチルコリン」の伝達を弱める働きがあります。アメリカやイギリスを含め80ヵ国以上で承認されており、日本でも治療薬として1997年4月から厚生労働省の認可を受けており、その安全性はすでに確立されています。
現在、眼瞼けいれんや片側顔面けいれんの他、斜頸、重度の原発性多汗症などの治療に使用する場合は保険適用になります。
美容治療に応用され始めたのは1980年代後半からで、2002年にはしわ治療薬として米FDA(米食品医薬品局)認可を受けました。
日本では、2009年に「65歳未満の成人における眉間の表情皺」を効能・効果として、2016年に「65歳未満の成人における目尻の表情皺」を効能・効果として製造販売が承認されました(保険適応外)。
注射後2~3日目から現れ、通常3~4ヶ月程度持続します。効果は徐々に消え注射前の状態が再び現れてきますが、再投与によって同様の効果が得られます。
ボトックス注射のメリットは、目尻の笑いじわ・眉間や額のしわなど、表情のくせによるしわ改善に効果があることです。
ボトックスを注入することで、その部位の肌のハリも現れ、10歳ほど若返って見える方が多くアンチエイジングにお勧めの手軽な方法です。
また、今後出るであろう「深い溝のしわ」を予防することができます。
ボトックス注射は継続することで確実にしわができにくくなります。
筋肉収縮を弱め、麻痺させるのが目的であるボトックスですので、その作用が余計な筋肉に波及してしまうと思いもよらない副作用がでてきます。
その一番が“眼瞼下垂”です。これは眉間のしわとりで出る可能性がありますが、最近はほとんどありません。
また額への注入の際は目の開きに重さを感じることがありますが、1ヶ月程度で気にならなくなります。また、副作用ではありませんが、ごくまれにボトックス製剤への抗体ができてしまうと効果が減弱する可能性があります。
効果を維持するためには定期的に打たなければいけません。
そのため、費用や心身の両面で負担になる場合も有ります。
とはいえ逆に言えば、もし気に入らなければ数ヶ月待てばもとに戻ると言うメリットにもなります。
ボトックス注射を施行する医師は、年1回アラガン・ジャパン株式会社の認定するWEB講習セミナーを受講し、受講修了医師として登録しています。